ドイツ銀行の破綻

ドイツ銀行の破綻が現実的な問題になってきました。緊急の事態に備えて国民に食料を備蓄するように、ドイツ政府は呼びかけています。さて、何がおきるというのでしょうか。

以下 //www.mag2.com/p/money/21392 より引用

ドイツ銀行CEO「ドラギは我々をクラッシュさせるつもりか!」迫る10月ショック

今年初めになって、欧米メディアが、とうとうドイツ経済に暗雲が垂れ込めていることを書くようになりました。ドイツ銀行の破綻は「現実的なレベルになってきた」と。それは、ドイツ銀行が身の丈以上の金融拡大を続けてきたことが原因です。

なぜ今?「緊急事態」に備え国民に食料備蓄を呼びかける独政府

現実味を帯びてきたドイツ銀行の破綻

冷戦終結以降初めて、ドイツ政府が国家的危機に備えて水と食料を備蓄するよう市民に呼びかけていると、独紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」が報じています。

■ドイツの「民間防衛計画」

同紙によると、ドイツ内務省が作成した「民間防衛計画」に、「ドイツ国民は10日分の食料と5日分の水を備蓄することが義務付けられる」との文言が書かれているそうです。これはただならぬ事態が予想されるが、ドイツ内務省の広報官から、具体的な内容についての言及はなかったといいます。

この計画をまとめた69ページのレポートには、ドイツ領内で通常の国防が必要となるような軍事攻撃が起こる可能性は限りなく低いとしつつも、「国民の存在を脅かす、将来において本質的に排除できない脅威に備えて適切に準備すること」をドイツ国民に求めるとの趣旨が盛り込まれているそうです。

ドイツ銀行の意味のないポートフォリオによれば、デリバティブ取引における保有残高は、2016年初頭の時点でドイツのGDPの25倍にまで膨らんでいたのです。それはとっくに、利払いができるかどうかの瀬戸際まで悪化しています。

ドイツが先か、日本が先か、それとも米国が先か……順序は別にして、そこには「はっきりした筋書き」が炙り出されてきたのです。

ドイツ以外も“食糧備蓄”と“市民武装”を推奨。背後にはドイツの財政危機?

また、ドイツのお隣チェコでも個々人で食料を備蓄するよう国民に訴えかけているといます。チェコのメディアによると、同国の食糧備蓄はかなり切迫しており、国家的危機の際には供給量が不足する恐れがあるといいます。そのため、チェコ政府は、食料自給率を高めるよう国民に要求しているそうです。

さらに、今月初めにはチェコのミロシュ・ゼマン大統領が、ジハーディストによるテロ攻撃に対応するため、銃の個人購入がし易くなるように法改正を急いでいると報じられました。ゼマン大統領は以前、銃の個人所有に反対の姿勢だったが、イスラム過激派によるテロが多発している今「国民は自分の身を自分で守るように」と正反対の態度を示しています。

このように、ドイツ、チェコともに自国民に“食料の備蓄”と“武装”を求めているが、各メディアの報道をみる限り、両国ともテロリズムに対する自衛が主眼のようです。他のヨーロッパ各国も同様の危機感を共有しており、先月にはフランスの国内治安総局局長(DGSI)が、フランスは内戦まであと一歩であると発言しています。さらに、スイス、デンマーク、ノルウェーの軍事トップや研究者もテロリストとの内戦の危険性があると認識しているようです。

また、オルタナティブニュースサイトは、ドイツやチェコに限らず、なんと、アメリカ、ロシアまでもが国民に災害への備えを訴えかけていると報じている。たしかにどの国もテロの脅威に晒されているとはいえ、これはあまりにも異常な事態ではないだろうか? ドイツ緑の党のコンスタンティン・フォン・ノッツ氏も「国民が物資を備蓄しておかなければならないような攻撃のシナリオは考えられない」と懐疑的な態度を示している。

テロ以外の危機が世界にせまっているとの声もあがっています。たとえば、経営難に苦しんでいるドイツ銀行の破綻危機です。ドイツ銀行の取引額は、ドイツのGDPの20倍との見積もりもあります。もし、ドイツ銀行が破綻したらリーマンショックを凌ぐ大不況が全世界を襲うとみて間違いありません。その結果、各国が未曾有の大不況に陥るのみならず、EUが解体されることも十分考えられます。となると、ドイツ銀行の内情にもっとも詳しいドイツが、真っ先に“食料備蓄”を訴えかけたのも納得のいく話ではないでしょうか。

とはいえ、「民間防衛構想」の詳細な内容が明らかになっていないため、これ以上のことは何も言えません。しかし、ドイツ銀行の破綻を各国が察知しているならば、近いうちに日本政府も何かしらのアクションを起こす可能性があります。その時は、“前代未聞の危機”に世界が突入していると判断していいかもしれません。

リーマン・ショック以来のヘッジファンド解約数

さて、その「筋書き」ですが、今度こそは、欧米の慎重なアナリストたちが口をそろえて言ってきたように、本当に有史以来の未曽有の経済災害が誘発されようとしています。

最大の震源は、もちろん、ヘッジファンドの破綻です。

ここにきて、ヘッジファンドの解約は月間ベースで、2008年後半から始まった世界金融恐慌以来のペースで進んでいます。

ヘッジファンドの場合はレバレッジを利かせてある分、市場の大暴騰でも大暴落でも、予期せぬ事態に遭遇した場合、その損失は再起不能なレベルまで跳ね上がります。

しかし、もはや、はじける以外に適正な評価額に戻ることが叶わなくなっているバブルにおいては、当然のことながら大暴落に違いないわけです。

24日のブルームバーグによれば、「英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)はグローバル・トランザクション・サービス(GTS)業務の約3000顧客に、取引銀行の変更を急ぐように促した」とのこと。

ブレグジットの余波が、いよいよ表面化してきた?それだけではありません。欧州の金融危機勃発の兆候が顕著になってきた、ということです。

ドイツ政府が国民に食料や水の備蓄を呼びかけ

つい数日前、英BBCは、「ドイツ政府、国民に水・食料の備蓄呼びかけ」という、ゾッとする見出しの記事をアップしました。

ドイツ政府が冷戦以来初めて、国家的緊急事態に備えて食料や水を備蓄するよう国民に呼びかけている。ドイツ政府は24日にも民間防衛計画を承認する見通し。

ドイツの民間防衛計画では市民に、少なくとも10日分の食料を供えるよう勧告している。 非常事態の際に公的支援が提供されるまでの間、自前で対応できるようにするためだ。 ……政府は10日分の食料のほか、5日分の水(1人あたり1日2リットル)の備蓄も奨励している。

ドイツ政府が食料の備蓄を勧告しているのはドイツ全国民に対してです。地震ではありません。

独紙フランクフルター・アルゲマイネによると、ドイツ内務省が発表した69ページにわたる民間防衛計画書では、「通常の国防が必要となるドイツ領への攻撃は、あまりあり得ないものの、国家安全保障への将来的な脅威の可能性を排除すべきではなく、そのため民間防衛の施策が必要であると考えたため」としています。

民間防衛計画書に書かれてある「10日分の食料と水の備蓄」が戦争への準備であると考えるドイツ国民は、おそらく、ほとんどいないでしょう。

ドイツ政府は、全国民に、いったい何を示唆しているのでしょう?

EU全体に向けられたドイツ銀行CEOの警告

ゼロヘッジは、8月25日、「ドイツ銀行CEOが預金者のために『致命的な結果』を警告した」ことを取り上げています。

ドイツ銀行の破綻が本当に近づいてきたのか、英BBCまでもが「もっとも危険な銀行」と表現するようになりました。

そのドイツ銀行のCEOが、8月24日、とうとうドイツ国民に向けて重大な警告を発したのです。

「欧州中央銀行(ECB)は量的金融緩和を止めろ! ドラギはわれわれをクラッシュさせるつもりか……」

EUの中央銀行である欧州中央銀行(ECB)とドイツ銀行との間の論争は、今に始まったことではありません。

しかし、ドイツ銀行のCEOが、欧州中央銀行(ECB)総裁のドラギを、そう非難するのは、ややお門違いかも知れません。

イタリアの大富豪、ベルルスコーニが数年前、イタリアの首相を務めていたとき、彼はECB総裁にこう言っていたのです。

「イタリアの債務危機を救うためには、中央銀行による債券の買い取り(量的金融緩和)が必要だ。なぜ、ECBはそうせず、イタリアを窮地に追い込むような真似をするのか理解できない」

これは、債務危機に喘ぐ他のEU加盟国の指導者も同じです。彼らは、数年前までは、ECBの量的金融緩和を望んでいたのです。

しかし、それは大統領なり首相なり、自分の任期の間だけは経済破綻させたくない、という責任の先送りに過ぎず、EUの債務危機を根本から解決しようなとど、誰一人として考えていなかったのです。

EU加盟国の債務危機を解決するためには、まずユーロの採用を中止して、それぞれが自国通貨に戻すことです。

本来が、強さの違う通貨を統合して為替という調整機能(それは自国通貨を保護し、金利政策を有効に機能させる)を失うことによって、自国通貨の強い国が独り勝ちし、通貨の弱い国が破綻させられることが運命づけられてしまうのです。

自由貿易のために関税を撤廃してしまうことから、この為替調整機能が喪失し、結果、通貨の弱い国から順番に破綻していくのです。

それを防ぐために、いわば「持ち合い」で相互に国債を保有せざるを得なくなり、それが今日のEU全体の債務危機を招いた根本的な原因となっているのです。

この構造は、ギリシャの破綻で証明されました。

今、ユーロを採用したEU加盟国は、自国通貨で通商を行っていたときに支払っていた関税の何千倍、いや何万倍ものコストを支払う羽目に陥っているのです。

それは、量的金融緩和とマイナス金利によってもたらされるユーロそのものの購買力の低下です。その効果は、増税とまったく同じです。

こうしたことは目に見えないので、私はこれを「ステルス増税」と言ってきました。

もっとも、ドイツの場合は、もともとドイツマルクが強かったわけですから、ユーロ圏で独り勝ちすることは、あらかじめ決まっていたと言えます。

ドイツ銀行の「不覚」とは?

ではなぜ、ドイツ銀行は破綻秒読みにまで追い込まれてしまったのでしょう。

ドイツ銀行は、ECBの量的金融緩和が、今日のような最低金利に導いた元凶であると非難しています。

ドイツ銀行のジョン・クライアン(John Cryan)最高経営責任者(CEO)は、8月31日から9月1日の二日間、フランクフルトで開催されたドイツの日刊商業経済紙ハンデルスブラット主催の『激動の中の銀行』というイベントにゲストコメンテーターとして招かれたとき、 「現在のECBの通貨政策は、経済を強化してヨーロッパの銀行システムをより安全にする目的に反している」と強い不満をもらしました。

しかし、その不満とも警告とも受け取れる発言は、ECB総裁のマリオ・ドラギを標的にしたものではなく、ドイツという国それ自体に対してのものだったのです。

もちろん、表面上は、彼の銀行の顧客を保護するかのように装いながら……

「もしドイツ銀行が破綻するなら、ドイツ銀行とともに、すべてを引きずり込んでしまう可能性がある」ということを彼は暗に示唆したのです。彼は、ドイツ銀行の破綻が、それだけ巨大な災害をもたらすことを承知しているのです。

先進国の国々は「いつか爆発する超新星」の脅威に晒されている

「現在、世界は歴史始まって以来の最も大きな財政的な実験を経験している」……これは、政府債務の増大と量的緩和にともなうマイナス金利に言及しているロスチャイルドのせりふです。

読者のみなさんは、彼が「財政的な実験をやっている」と言っていることに注目してください。

RTの記事では、RITキャピタル・パートナーズの会長、ジェイコブ・ロスチャイルド (第4代ロスチャイルド卿)がこう述べていると伝えています。

「低金利と政府の国債の逆利回り、そして量的金融緩和は、世界史で最も大きい財政的な実験の一部である。そして、結果はどうなるかまだ分からない」

RITキャピタル・パートナーズは、半期ごとにレポートをまとめた上で、それを公開していますが、今回の報告書では、ほとんどコメントしないことで知られているジェイコブ・ロスチャイルド自らが口を開いた、ということから世界中の投資家が注目しているのです。

「レビュー(市場概観)の作成にとりかかっていたこの6ヵ月間、われわれは中央銀行が世界の歴史の中で、確かに通貨政策の最大の実験を続けてきたことを見てきた。したがって、われわれは未知の海に漂っており、逆利回りになっている世界の国債の約30%、大規模な量的金融緩和とが組み合わさってもたらされている超低金利が何をもたらすかを予想することは不可能である」

「米国株は2008年以降3倍に成長した。投資家たちの旺盛な投資意欲と低いボラティリティのお陰で……」

この世界でもっとも有名な銀行家は、中央銀行の政策が株式市場の急成長につながった点をアピールするのを忘れていません。

ここで再び読者のみなさんは、彼が「低いボラティリティ」と言っている点に注目してください。

……とりあえず先に進みましょう。

「経済のリアル・セクター(実物部門)は、先進国の多くの地域における弱い需要とデフレによって経済成長は貧血状態のままである。その上、悪化の一途をたどっている地政学的な状況下で、グローバル経済は多くのリスク要因を抱え込んだままでいる」と、この億万長者は強調しました。

「悪化の一途をたどる地政学的な状況」とは、国際テロのリスクが高まっていることを意味しています。「これは中東で紛争が続いている結果である」と、ジェイコブ・ロスチャイルドも、その他大勢の一般的なアナリストと同じことを言っています。

6月に出されたバンクオブアメリカ・メリルリンチの報告書によれば、先進国の金利は米国の0.5%に代表されるように、過去もっとも低い水準にあるとのことです。

スウェーデン、スイス、日本のような国々の中央銀行は、こぞって「デフレとの闘い」を掲げて、とうとう貸出し金利をマイナスにしさえしているのです。結果、上述してきたように、ドイツ銀行のクライアンCEOが再三警告しているように「致命的な結果」を招こうとしています。

もう一つの悲痛なことは、国債の逆利回りです。6月に、ドイツの10年国債の利回りが歴史的に初めて0%になりました。

ヤヌス・キャピタル(Janus Capital)は、この500年でもっとも低い利回りになったと推計しています。そのような債券の総額は10兆ドルにまで膨らんでいます。

主導的なポートフォリオ・マネージャー、ビル・グロス(Bill Gross)は、それを「いつか爆発する超新星」と呼んでいます。

10月の悲劇…オクトーバー・サプライズは起こるのか?

ジェイコブ・ロスチャイルドは、RITキャピタル・パートナーズの半期ごとのレポートの中で、欧州連合(EU)の今後、11月8日の米大統領選挙の結果、長引く中国の経済成長の鈍化……こうした数々のリスク要因の他に、ブレグジット(英国のEU離脱)の今後の成り行きについても憂慮すべきリススクに含めています。

前号のメルマガ(第169号パート1とパート2)で、大統領選に向けて、グローバル・エリートたちは「オクトーバー・サプライズを必要としている」と書きました。

確かに、それは起きます。オーストリアとハンガリーは、10月の同じ日に画期的なEU離脱を決める国民投票を開くかもしれません!

重要な視点は、それが米国の大統領選に、どのように影響してくるか、ということです。

ハンガリーの火種

米国の保守系・オンライン・ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」(7月5日付)によると、「ハンガリーの大統領、アーデル・ヤーノシュ(Janos Ader)は、欧州連合(EU)の移民政策に関して是非を問う国民投票を10月2日に行う」と発表したとのこと。

アーデルの大統領執務室は、この国民投票では、「EUがハンガリー議会の同意を得ることなく、非ハンガリー市民の移民に関する問題の解決策を勝手に決めることを容認するのかどうかがハンガリー国民に問われることになる」と述べています。

移民に断固反対しているハンガリーのオルバン・ヴィクトル(Viktor Orban)首相は、「NOに投票することは、ハンガリーの独立を支持し、押し付けの義務的な和解案を拒否することに賛成の意を示すことになる」と述べました。

当初、オルバン首相は、この2月に国民投票の実施を発表しました。彼は、EUの移民政策に反対するハンガリー国民の投票が、ヨーロッパ大陸全域で望まれていない移住者の強制的な分担受け入れを拒否する強力な切り札になると考えているのです。

とはいうものの、ハンガリーは移住者の受け入れを拒否していることから、EUによって法廷に持ち込まれ、場合によっては罰金を科される可能性も出てきます。

7月の初め、オルバン・ヴィクトル首相がブリッセルを訪問したとき、彼はこのように述べました。

「EUはブリュッセルにあるのではない。EUは、現在、28の主権国家から成っている。EUは、その機関によって成り立っているのではなく、これらの参加国によって成り立っているという考え方に戻らなければならない」

もともと、彼は「移民は薬ではなく毒だ」と述べ、シリアを始めとする中東からの大量の難民を受け入れたドイツで治安が悪化していることから、「移民の受け入れは政治テロのリスクを増大させる」と主張してきました。

オーストリアでも

一方、オーストリアでは、10月2日に、大統領選の決選投票のやり直しを行うことを発表したばかりです。

EU懐疑派で人民主義の候補者である自由党のノルベルト・ホッファー(Norbert Hofer)は、今後、中央ヨーロッパの表看板になりそうです。

オーストリア大統領選の投票は、今年の5月に実施されましたが、投票のカウントにおいて不正行為が発覚したことから告発を受け、ハンガリー最高裁判所による徹底的な調査につながっていきました。特に、不正は郵便投票の分類に関して見られました。

投票日後一ヵ月以上経ってから、オーストリアの法定は、投票が不適切に取り扱われている証拠を確認し、さらに第2ラウンドの決選投票において写真判定によって不正が確定したことから、「非常に深刻な事態」と認める至ったということです。

ホッファーは、自由党から立候補したものの、惜しくも敗北。票のカウントの過程で見つかった不審な証拠の数々を挙げて不正選挙を訴えていました。

6月23日の英国の国民投票の結果は、ホッファーをさらに励ますこととなりました。

ホッファーが「EU自らが改革に乗り出さない限りは、オーストリアはEU離脱に向けて国民投票を実施する」と言ったのは、今回が初めてではありません。英国の国民投票の結果を受けて、彼はいっそう語気を強めています。

「EUが、そのコアバリューを取り戻そうとするよりはむしろ、中央集権的な歩みを止めようとしないのであれば」、そのとき彼は、言葉どおり、オーストリアのEU離脱を問う国民投票に訴えることになります。

10月2日の大統領選のやり直しは、同時に、オーストリアのEU離脱を決める選挙になりそうです

最大規模のオクトーバー・サプライズが起こった場合は……

オクトーバー・サプライズが最小規模となった場合は、ハンガリーのEU離脱投票の実施。

最大規模となった場合は、オーストリア、ポーランド以外で、イタリア、フランスでも国民投票の実施を宣言する声が上がり、さらには、ドイツ銀行の破綻が、より具体的、現実的に迫って来るという事態が展開されることになります。

そして、さらに悪ければ、英BBCが報じたとおり、ドイツ国内で(おそらく)銀行システムの混乱に乗じて、インターネットや水道といったインフラを破壊するテロが勃発し、一部の地域で物流が停滞する、という緊急事態が生じる最悪の事態さえ想定しなければならなくなる、ということです。

それは、EUに大混乱を引き起こし、米国の大統領選の実施さえ危ぶまれる事態を引き起こすかもしれません。

このことは、メルマガ第169号のパート1とパート2で書いた「プランC」と密接につながってきます。(ダイジェストはコチラ)

まったく想像したくない近未来ですが、米国の大統領選混迷の様相を見るにつけ、あながち、すべてが幻想であると片づけることができない悲しさがあるのです。

日本への影響は?

一方、日本への影響は、どんなことが考えられるでしょう。

日本の金融市場は、海外で経済的混乱が起こる予兆を感じ取ると、すぐさま円高になる構造になっています。

それは、事前に察知した外国からの資金が円に向かって逃避してくるので円高に振れます。すると輸出が低迷するので、特に経団連企業(輸出型企業が多い)の株価は先行きを見越して下落します。

日経225指数には、多くの経団連企業の個々の株価が反映されています。

逃げ足の早い外国人投資家(日本の株式市場に入っている投資家の6割以上は外国人投資家)は、日経225指数に、ほんのちょっとの不穏なシグナルを発見すれば、すぐさま日本市場から資金を引き上げてしまいます。これは先物に現れます。

これが、株式市場の連想的大暴落を招くのです。

もし、円高になっても、思ったより日経平均が下がらなければ、それは官製相場の最後の深呼吸であって、その後、呼吸停止してしまうかも知れません。

さらにトランプが大統領になった場合、一層の円高が進むことが強く予想されます。

EUの増大している中央集権主義は、結局、地球を半周回って、あらゆる先進国の株式市場に悪影響を与えるでしょう。

ですから、今後、オクトーバー・サプライズの規模がどの程度になるのか、よく目を凝らして、為替、とくに対ユーロに敏感になることが必要です。



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